現在、タレントの出川哲郎出演のCM”でが割り”で知名度を上げてきたガス会社【ニチガス】。
ネット上の評判は千差万別で、裁判沙汰になったこともあることから印象が悪いという声もあれば、良いという声も上がっているのは事実ですが、本当はどうなのか?
日本瓦斯株式会社:通称ニチガス
ニチガスとは?
ニチガスの正式名称は日本瓦斯株式会社で、1955年に設立されたガス事業会社です。
東京都渋谷区に本社を持ち、関東地区を拠点として活動しています。
なお、1964年の東京オリンピックの聖火点灯にガスを供給しました。
2017年の都市ガス自由化前。LPガスの小売り自由化になった時、ガス業界でいち早く切り替え営業を始めたのがニチガスです。
それ以降年々顧客件数を増やし、現在140万件超えの顧客管理を行っている歴史あるガス事業社です。
2019年からは、サッカー東京ヴェルディとコーポレートパートナー契約を結び、選手ユニフォームの鎖骨付近や、プラクティスシャツなどにニチガスのロゴを提供しています。
ニチガスの営業手法は?
ニチガスの営業手法は、訪問営業が中心。
営業マンが、1軒1軒のお宅を訪問して現在使用しているガス会社より安くなるということで、ニチガスに切り替えてもらう方法です。
これはニチガスの社員はもちろん、協力会社による営業マンによるものが主。
当初、こういった営業方法をブローカーだとして同業他社から非難されたり、切り替えてから数か月後に勝手に値上げされたという訴訟問題もありました。(この件に関しては、別にお話しします)
また、協力会社の営業マンは、最低でも年に1度(都市ガスは3か月に1度)特商法を始め営業講習会の受講が義務づけられているので、社員による営業と変わりありません。
また、今現在ではどのガス会社も協力会社を使って営業活動しているのが実情で、協力会社=ブローカーという考え方は全くの間違い。
たとえば自動車保険を自動車修理工場で加入している方は多いですよね?
自動車修理工場も保険会社の代理店であり、協力会社もこれとまったく同じなのです。
ニチガスの料金体系は?
LPガス料金は、事業者が自由に料金を設定できますので、仕入れ価格によっても各社に違いがあります。
大手で大量に仕入れ出来れば安価にできますし、中小の小売店であれば大手卸会社から仕入れするので、どうしても中間マージンが発生してしまうので、極限まで安くすることが出来ないのです。
ニチガスは、切り替え料金が極端に安く、複数の料金体系があると言われています。
価格に関しては、原油価格は変動で仕入れ価格に左右されますので、切り替え時期などのタイミングによっても違います。
また、都市部や地方では配送コストも違うので価格差が出ることもあるのです。
ニチガスに限ってではありませんが、安価で提供するためには、いかにコストカットをするかです。
この点でニチガスは、自社でデポステーション(配送基地)という配送センターを各地に配置することで、配送コストを削減しています。
また、各家庭の使用量等をコンピューターで管理し、ボンベ残量極力まで使い切るところで、ガスボンベを交換。
これにより無駄に交換せず、効率的なコストカットを実現しているのです。
中には、今まで利用していたガス会社は1か月に2度も3度も来ていたのに、ニチガスに変えてからは月に1度くらいしか来ないというお客さんもいるようですが、交換をさぼっているのではなくコストカットしているからこその違いです。
顧客件数が増え続けている理由は
ニチガスの顧客件数は年々増えています。現在、グループ全体で140万件ほどあると言われており、件数が多ければ薄利多売できますし、顧客が減っている業者では現状の売り上げを維持するために、高単価で販売しなくてはなりません。
最近の価格設定では、2年間値上げ無しの2年固定プラン、モニター価格連動プランといって、石油情報センターが公表する関東平均より10%安くするという価格設定で透明性をアピールし、お客様を増やし続けています。
タレントの出川哲郎出演でTVCMもはじめ、2017年には都市ガス事業にも参入しました。
2016年の電力自由化の際は、東京電力の代理店として電気事業も始めましたが、2018年10月よりニチガス電気として正式に電気事業者として登録し、ガスとのセット販売も始めています。
この部分で言うと、東京電力の代理店ではなくなったということでエネオス電気やアンビットエナジーなどと同じ。
業界異端児と呼ばれるニチガスです。
楽天も電気事業に参入し”楽天でんき”として発足しました。
基本料なしで使った分だけを支払うといった料金体系。
ニチガスが掲げる【でが割り】にダメージはあるのか?ガスや電気業界はこれからどうなっていくのか?